考えるままに、思うままに。

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情報リテラシーが高いというのは、自分がどういう情報に優先的な関心を向け、どういう情報から組織的に目を逸らしているのかをとりあえず意識化できる知性のことである。
私たちはつねにある種の情報を選好し、ある種の情報を忌避する。
そこには個人的な基準がある。
基準となっているのは、私たちがひとりひとり選び取っている「世界についての物語」である。
そのストーリーに整合する情報は「よい情報」であり、そのストーリーになじまない情報は「悪い情報」である。
私たちは客観的事実よりも主観的願望を優先させる。
「世界はこのようなものであって欲しい」という欲望は「世界はこのようなものである」という認知をつねに圧倒する。
それは人間である以上しかたがない。
しかたがないけれども、「人間とは(自分を含めて)そういうものである」という認知を行うことはできる。
「私の眼に世界はこのように見える」という言明と、「私の世界経験には主観的なバイアスがかかっており、かつ限定的であるので、私の見ているものが『世界そのもの』であり、『世界の全容』であるということは私にはできない」という言明はレベルが違う。
「レベルが違う」ということは「問題なく共存できる」ということである。
私たちの世界経験はつねに限定的である。

- 情報リテラシーについて (内田樹の研究室)